腐女子的萌え映画のススメ

男同士の友情、恋愛、信頼関係にときめく乙女の為の、萌える映画を語るブログ。 映画だけでなく、舞台・小説・漫画などの感想も書いていきます。

 

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萌える近代文学――『孤島の鬼』江戸川乱歩


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乱歩ですよ。
乱歩といったらまあエログロナンセンスとかミステリーとかが有名ですが、実は乱歩本人も、エッセイ内で初恋は同性愛と書いていたり(まあ時代柄もあったでしょうが)、同性愛についての研究もしていたということです。


[ストーリー]
主人公の箕浦は、職場で知り合った初代と恋人になるが、まもなく初代に金持ちの求婚者が現れる。
それは学生時代の先輩で、箕浦に想いを寄せていた諸戸だった。
そんなある日、恋人の初代が殺される。
箕浦は死の真相と犯人を探るべく、友人の探偵・深山木と調査を始めるが…。


そんなわけで今回の見どころは、才色兼備の美青年・諸戸君。
彼はまあ箕浦にフォーリンラブしております。
しかしとにかくこの主人公の「私」こと箕浦は、天然小悪魔といいますか。
良くいるじゃないですか、BLの受けで、
内気で友達は少ないし「どうしよう俺、何も出来なくて…」と思ってると、
やたら有能な先輩に次々と愛されてちゃっかりと色々と助けてもらっちゃうような。

そんな子です。(断言)

私は内気者で、同年輩の華やかな青年たちには、あまり親しい友だちを持たなかった代りに、年長のしかも少々風変わりな友だちに恵まれていた。

まんまです。そして

年長の友だちはほとんどすべて、(中略)多かれ少なかれ、私の容貌に一種の興味を持っているように思われた。

見て下さいよこの自分で言っちゃう天然小悪魔っぷり。
僕、何か出来る先輩に愛されまくりだし、美形なんじゃね?とのたまう主人公。
序盤から全力のこの主人公の最強っぷりに正直少し不安になりました。
実際、箕浦は、高貴な知性派美青年・諸戸や、天才肌の奇人中年・深山木といった有能な先輩達に愛され、一から十まで助けてもらいながら物語は進んでいきます。

では以下、追記にて語っていきます。
なるべく頑張って物語の核心に至るようなネタばれは避けましたが、
多少のネタばれはしてるので注意。



諸戸の求婚を受けて、箕浦は過去の諸戸とのことをいろいろ回想します。
ある日、酔って二人で帰宅した箕浦は、つまずいたか倒されたかして、敷きっ放しの布団に転がります。
(※BLのお約束的展開)

諸戸は私の傍に突っ立って、じっと顔を見おろしていたが、ぶっきらぼうに、
「君は美しい」
といった。その刹那、(中略)私は完全に女性化して、(中略)この美貌の青年は、私の夫であるという、異様な観念が私の頭をかすめて通り過ぎたのである。


まあこの後、手を触れられた瞬間に箕浦は正気(?)に戻り、事なきを得るのですが。
他にも、体洗ってもらったり、手繋いだりといったスキンシップを「私は意識してやって」いて、そこから伝わる愛情をやぶさかではないと思いながらも、

といって、決して私は彼の手を握り返すことはしなかったのである。

と過去の腹黒っぷりを回想する箕浦。
その後も散々助けてもらっといて、恋愛感情はマジ勘弁って言うかきもいんですけどみたいな態度が酷いwww

その後物語は進み、暗闇に二人で閉じ込められて危機に瀕した時も、
とにかく諸戸が脱出方法を模索する等頑張ってる中で、

「怖い。僕、怖い」
私は諸戸の体をさぐって、すり寄って行った。


ってちょっとお前。
こんなこと好きな人にやられたら誰だって理性を失うんじゃないか?
その癖、最終的に諸戸が「もうだめだ、一緒に死のう」と肉体的に迫って来たら、ドン引きしてけだものだの蛇だの海坊主だの呼ばわりですよ。

お前こそが鬼かと。

そこは吊り橋効果的に恋に落ちとけよ。(いやそれもちょっと)


また、序盤、深山木に初代殺害事件の相談をしに行き、事情を話し始めるとき、

私は甘えるようにいった。いってしまうと、どうしたことか止めどもなく涙がこぼれた。
(中略)
悲しみのほかに、不思議に甘い感触があった。
私のそうした態度が、相手をワクワクさせていることを、私は心の隅で自覚していた。


・・・・・・。

えーとつまり要約すると、心から愛していた恋人の死について話すのにも関わらず、
この男は、「恋人が殺されちゃったんです先輩!えーん!」と泣きつきながら、
「僕が甘えると先輩が喜ぶんだよネ」とか思ってるってことか・・・嘘だろ・・・?
ちょ・・・どんだけ・・・。
最早天然ですらない。

大体この男、
散々初代の仇を取るって意気込んで孤島に向かった癖に、そこで出会った女の子に一目惚れ、挙句「初代の導きじゃね?」とまで言い出す始末。
(いや、彼がそう思うのには他にも理由があるんですけど)


そんなわけで、全編通して主人公の最強天然腹黒っぷりに恐れをなして、
私は全力で諸戸、行け!やっちまえ!と思っていたわけですが。(笑)

主人公が最強っていうか

むしろ孤島の鬼って箕浦のことなんじゃね?

と思わせんばかりの黒っぷり。

しかし、お陰で全く感情移入できなかった(^_^;)
一人称の冒険小説で主人公に感情移入出来ないって割と致命傷なんじゃ…(げほげほ)


いやいや、しかし本当、普通に文句なしに面白かったです。
実際、乱歩の長編小説でも指折りの作品らしいです。納得。
面白くてあっという間に読んでしまいました。
まあ、主人公の暴走に突っ込みながら読むのもまた一興(笑)。
怪奇ミステリーなのでややグロい部分もありますが、殺人事件自体は割とあっさりしていて、むしろそれが主じゃないんじゃないかな。
乱歩は他にもっとグロくて変態なのいっぱいあるし(爆)

ラスト、主人公的には一応丸くおさまってることになってますが、個人的には、最後に美味しいところをかっさらってくれた諸戸に軍配を挙げたいところ。
諸戸目線から見るとあれは泣けるよ…。

そもそも諸戸が同性愛者になったのには悲しい過去があったりするのですが、とにかく彼目線で読んでしまった私は、諸戸の健気っぷりと箕浦の非道っぷりに涙したものです。



(諸戸のモデルと噂される某氏の話を書いた『二青年図』のレビューはこちらへ


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Author:葛城
森羅万象に萌えを追い求めて迷走している不憫な人。守備範囲は揺りかごから墓場まで。
いつも「趣味は映画鑑賞です」と言っておく隠れ腐女子。嘘はついてないよ。
おっさんとか主従関係とかが好物。
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